海が見たいとわたしは言った

わたしは明らかに人格のどこかが欠落しているという事をまざまざと見せ付けられた、どこまで惨め。傷付けられたからといって傷付けていいという事にはならないという当たり前のことに気付けなかった阿呆はわたしです、テメェは本当に一遍人を殺さなきゃ分かんねえのか。
放たれた言葉をそのままマルッと信じてしまうことはどうやら駄目らしい、それゆえにわたしが放った言葉を相手もその言葉通り信じてくれているだろうと思うことも駄目らしい。心の裏の裏の裏の裏をかいて人と接していかなければとかそういう事でもない筈で、これはきっと単純によく耳にする「思い遣り」というもの。思い遣り、思い遣り、思い遣り、思い遣りってなんですか?
最近本当に色んなことがどうでも良くて、21歳頃のわたしに戻りつつあった。普通が分かんないからずっとずっと普通になりたい。思えばわたしはずっと何かに復讐してここまで生きてきたみたいだ。きみの闘い方を教えて。

フロントメモリー

ずっと独りだったはずなのに当たり前のように落ち込んだり不在に遣り切れなくなって夢みたいな夢から起き抜け奇声を発して煙草に火をつけたりバイトも遊びも無い休日は大森靖子とコウセイとの子を繰り返し聴いて落ち込んだり起き上がったり、わたしの生活は所詮こんなもんだよきみの生活はいいにおいがしてますか?
ちゃんと絶望したはずだったのに今は何もピンと来ない、愛とか恋とかもうそろそろ怖すぎるでしょ、傷付くことにも慣れてきたし、セックスだけならわたしにも出来るはずと思ったのにセックスすら出来なかった、わたしはバカだから、誰にも触られたくなんかないのだったね。
せめてアルコールをと思い9%のロング缶を飲めば首と頭の付け根がギリギリ痛むし外はキリキリしてまじ寒ーし電話もメールも来ないし毎日部屋ん中で阿保面引っ提げて口開けたまま白目剥いてるしかお前は脳が無いのかよ。それより愛を誰よりも欲している癖にバケツの底が抜けてて今日も違う女の股に性器突っ込んでアヘアヘ射精しちゃってる馬鹿よりマシでしょ。そうだね、わたしもそんな馬鹿になりたかったよ。わたしも逃げ道が欲しかった、わたしもあんな風になりたかった、いいよね君は睫毛も長いし、いいよね君はすごくやっていけそうだし、ただぼんやりと生き延びることが得意で良かったね。わたしはなれなかったし殺せなかったし死ねなかったら生きるしかないし生きることは全然オシャレじゃないし汚されるためのピンクじゃないわ、愛する気持ちだけでは報われなかったすべて僕じゃ何も出来ないかなってそれは本当にそれで、わたしはもう全部全部どうでもいいよ。

魔法は効かない呪いは解けないすべての季節に唾を吐く

「誰でも良かったんだよ別にお前じゃなくても股ぐらに穴が空いてれば誰でもいい、愛してるとか信じてるとか本当クソ面倒臭いし死にたいとか生きたいとかお前メンヘラじゃね?お前の愛してるも信じたいも全部都合良かったけどそろそろ重いわ、俺もっとスリル味わいたいしお前の体だけだと飽きるんだよね、ぶっちゃけお前が過去にレイプされたことあるとか浮気されたことあるとか殴られたことあるとか本当どうでもいいよ、でも俺は寂しいし弱い人間だからさ、お前は強いけど俺は弱いからさ、俺は駄目な人間だから、だからまた股開いてくれるよな」

ずっとはやく卒業したくて生きてきたの

誰も追ってこない帰り道を重い脚を引き摺って拳を握り締めて泣きじゃくりながら歩いた夜が明けて、自分の人生に組み込まれていない人だと考えたらとてもラクになってしまった、そもそも人生に関わってと阿保のようなツラして期待に胸を膨らませていたのはわたしだけだったのかも知れない。
バイトの朝は起床と共にやって来る精神の覚醒にやられる、ああまた腐敗の臭いがする一日が始まってしまったようだよと途方に暮れるけど、わたしはそれでもここまで狂わず生きてきた証拠と言わんばかりに気分に合わせた音楽をかけて煙草を一本吸って身支度にかかる、本当に偉いよ。
絶対幸せにするなんてやっぱり悪い冗談だった、今まで何人から何度それを聞いて結局幸せになんてされなかったのだろう、愛してるだなんてつまらないラブレターまじやめてね世界はもっと面白いはずでしょ、わたしの愛だけが関係性のすべてだったのだ?、光る水が爛れた心にしみて生きていけるってことあるでしょう、パチパチと頭の中何かが燃えて消えていく、嫌いな食べ物覚えていてくれないなんて一生一緒じゃなくていいって証拠じゃん、セックスしたくらいで安心してんじゃねえよ、ピンクはもう消えたピンクはもう殺された、あんなに大事なイタズラだって、好きだとかあなたの為ならなんて口では吐きながら結局のところお前はわたしの愛情とか優しさをオカズにしてマスかいてるだけだろ、あなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれるあなたなら分かってくれる、分かってあげるよ、ドロドロ澱んで薄汚いそれも自分の利益になることだけを自然と選び抜いて安寧を手にした気になってるその狡猾さも分かってあげるよ、みんなみんな分かってあげる、わたしは凄いから分かってあげられる、そんな幻想が見たくてここまで来たんでしょ?きみが見たい幻覚を見せてあげるよ、でもねじゃあ一体さ、誰がわたしを分かってくれるの?みんなわたしに好き勝手な幻想を見て、それに飽きたら棄てるんでしょ。ざまあみろって言う為にまだ死なない、殺るならいつだって今だったはずでしょ。
真っ白の反対なんて大して恥ずかしくないよ、戻らない日々なんて最低愛おしくないよ、超つまんないドラマのシーンはお断りですし、夢叶えるより美味しいカレーが食べたい、ずっとはやく卒業したくて生きてきたの、ノーミュージックノーミュージックきみに会える、ノーミュージックノーミュージックくだらない話よ、ノーミュージックノーミュージックとても綺麗で、ノーミュージックノーミュージック毎日クソだ、ミュージック、ワンダフルワールドエンドも独り占め、いつだって想像するのはひとりだけ。

漫画家になりたかった 野球選手は諦めてた ズケズケとなじられる それは今でも同じこと ドブ川に落とされちまえ 真黒にされちまえ あの頃と変わらぬドブ川  異臭を放っている きつい挫折を味わったというの なんか虚しいそれだけ  喜びあい 憎しみあい 求めあい 僕は今だにわからない 本当の愛って何だろう  豆腐の角に頭ぶつけて 僕は誰かを愛せるのか 午後5時まで働くことが嫌でしょうがない 僕にインドは遠すぎるの 自堕落な理想郷 酒を飲んで酔っぱらって 人生をちゃかしてみて 生甲斐なんて面倒なほど なんかみじめで みじめで 誰かトカレフを譲ってくれないか これで終わりにしたい

加地等『これで終わりにしたい』

彼の生き方

何も考えず、何も疑問を持たず、心を尽くさず、目まぐるしく現れては去っていく事象を追いもせず、そうやってただ目の前にあることだけを愉しむ生き方がどうにも出来ない。目を塞ぎ耳を塞いだまま笑っていたその結果に何が横たわっているかは、もう痛いほどに知ってしまっている、考えすぎなんじゃない、お前等が考えなさすぎるだけだ。

狂えたら幸せか?馬鹿になれれば幸せか?大切にしたいと誓ったはずのひとが目の前で泣いていても、その泣き声から上手く逃げられれば一人前の人間か?いつかそのひとが強くなるか死んじまうかした時に綺麗な面して笑ったり泣いたり出来れば満点か?
「私達は、自分の手の届く範囲でしか手を伸ばそうとしない、私は、自分の痛くないところまでしか手を差し伸べない」この苦しみが分かる人間が、一体どれだけ居るというのだろう。教えてくれよ。