「使い捨ての僕の閃きを突き刺して死にたい」

あんなにも、肉体の一部がもがれたような痛みを感じた夜を何度も繰り返したのに、ふと擡げる首を上げて空を見れば雲は薄ピンクに染められ風の先端はまるくなっていた、春だった。

わたしが透明になれば、わたしがわたしじゃなくなれば、いや、わたしがもっと強くなれば、外に出てひとと出会うことが出来る。

透明な銃を放つ自由をまだまだ忘れてしまう、乾いた武器をまだまだ手に出来ていないわたしは新しい季節に怯える。
何かが生まれるときは、いつだって呆れるくらい痛い。

「新作とかもう出なきゃいいのに変わらない」
Wi-Fi飛んでない場所なら帰りたい、隣で寝てくれないのならもう要らない、コンビニで一番高いアイスでエロいことしようよ、やっと創り上げたわたしの世界はまた掻き消されて、昨日のことは憶えていないふりだけ達者になる、使い捨てのわたしの閃きを突き刺して死にたい、護れなかった自分なんて突き刺した順に死ね、アンダーグラウンドは東京にしか無いんだし、サブカルにすらなれなかった音楽のことをあなたは知っていますか?もっともっと、気持ち悪くて、気持ちいい世界があるはずでしょう。



わたしたちは、まだまだ死ねないね