あなたがたの目に映るベーコン

「誰でもいいならわたしでいいじゃん」

衝動的に買った本は2日で読み終えて何だかそこにあるのはわたしとあのひとの事なのにふーんって感じでしかなかった。何でそんな終わりを告げられるかな。そこを教えて欲しかったよ。

学校でリホとどうやって陥れるかどうやってバラしてやるか笑いながら話したけど実際どうでもいい。悪者は彼女じゃない。

入ってくることを拒み続けられたら良かった。そうしたらわたしはわたしの目で世界を見てわたしの脳味噌でもって考えられていた。
甘ぇんだよどうせなら中途半端に終わらせないで全部傷付けろよと啖呵を切ったらその通りになった笑える。わたしのからだを押し付け口を塞ぐ腕の力、わたしの首を絞めるその力を今まで知らなかった。あなたの目を睨んだらそこは伽藍堂の暗闇で、ああ今この人の目に映るわたしは肉なのだと知った。
腕の傷からは目を逸らしたいよね。逃げたくて逃げたくて堪らないよね。きみが好きなのはわたしじゃなくて自分だものね。当たり前すぎることだよ。

わたしはあの夜もあの夜もあの夜も、入ってくる性器のかたちを再認識しながら気が触れそうなくらい「愛して」と言いたかったんだ。言いたかったんだよ。