生きてゆく

生きてるって超切なくて、全然おしゃれじゃなくて、ちゃんと痛かった

眼から下を隠せば裸で生きてるってことバレないから楽勝

きみがわたしの居ないところで酷いこと言ってたのちゃんと知ってるよ

わたしの特別は教えない、毎日毎日がギラギラして、瘴気立ち込める地獄のなかで立ち上がって生きてることの美しさをきっときみは知りたくもないのだろうから


本当はもっと綺麗で、愛してて、大好きなものがあったよ

わたしたちは、生きていて、ダンスフロアの光の真ん中に行けないような膝を抱えて暗闇のなかで夜な夜な泣いている

そんなわたしたちが、物にされて、簡単にされて、便利にされて、記号にされて、穴にされて、まわされる

経験あるから大したことないでしょうなんて言われちゃったね、体にいくら触れられても、毎回毎回死ぬ思いで愛するひとを抱いている切実な真実にはずっとずっと触れられない


わたしたちの傷は凶器と揶揄され、知らないひとの傷は守られる世界

ちゃんと生きてる、ちゃんと生きてきたから、痛くて痛くて、自分以外のすべてが愛おしくてたまらない

体の一部がもがれたような痛みを感じたのはわたしだけの子供、わたしはそれの母親

たくさんの痛みを宿し、あるかどうかもわからない光を産むためにまだ死なない

ざまあみろって言うまでまだ死ねない


女達は叫ぶ

わたしはわたしよ、心があるもの

Girls Of Cinema


Girls of Cinema ep.0 /日本語訳
さあ東京、新宿の街。
どうする?
何か映画観る?
観ないよ、観るわけ無いじゃん。
どうしてって思っちゃうよ。
こんなに映画があるのに、東京でかかってる映画はつまんない。
どうして、アジアの女の子の心を写した映画はないんだろう? 
アメリカやヨーロッパの女の子は、やっぱり解放されてて格好良い。
西洋の映画を観る度に、それを実感する。
実際、アジアは異を唱えたりする文化じゃない、同調圧力の文化だよ。
なにかを勝ち取って来た歴史もなくて。
そう言うコンプレックスをくだらないとも思うけれど、だって実際問題遅れているんだよね、西洋の神話は更新されても、東洋は置いてきぼり。
今わたしたちの目の前にある、女の子のための映画は、
女の子を馬鹿にしたような映画ばかり。
それは、女の子の知性を前提にした社会に生きていないから。 
女の子が意見を言うってことは、自殺するってことなんだ。 「我が強い」とか言われるよ。
でも、だって当然だよ我はあるよ、
わたしは、わたしとして生まれて来たんだもの。 
それでも西洋の映画を見ても、そこには自分の心はない。
私たちの社会におけるキスはもっと恥ずかしくて、
男の子を、あんなふうにくどいたりしたら淫乱だ。
どうしても、自立することの後ろめたさがある、儒教社会の抑圧のもとに。 
一体どんな芸術なら、わたしたちの心は満たされるのだろうか。
今こんなに渇望があって、こんなに行く宛がないのに。
アジアでいちばんイケてるってはずの東京には、何もない。 
田舎も東京も変わらなかった、
日本は辺境の土地で、つまんない、つまんない場所ですよ。
もっとはち切れそうなのに、新宿でも渋谷でもいつもダサい。
ほんとうの女の子の心は、絶対に街頭ビジョンに載らないようにできている。
いつまで女の子は男の子のために笑顔で踊り続けるの、
古来の村の掟を守り続けているんだね。
男の子だって、そんな女の子が見たいわけじゃないでしょ?
もう飽き飽きしてるはずだよ、君だって絶対に。 
じぶんのために、踊りたいって願う女の子には、踊る場所がない。
じぶんの命を輝かせたい女の子のステージは、どこなんだろう。
一体どこで輝いたなら、カメラはわたしをおさめてくれるのでしょうか。
つまらない、つまらないよ東京は。
香港も、台湾も、ソウルも北京もきっとつまらないね。
いつも足りない。
いつも足りないアジアの女の子。
どこに命を注げば良いのかわからない、アジアの女の子。
鮮やかに生きてみたいアジアの女の子。
どこで踊れば良いのかわからない、アジアの女の子。
輝きたいのに、暗闇の中でうずくまる、アジアの女の子。 
映画に、わたしたちの孤独を救えるわけがない。
これまで映画が、わたしたちの孤独を、一回でも捉えた事があったのだろうか? 
ー …星々…
でも全員がだめだった、アジアは秘境、
神秘の森の中に生きる女の子の心を、誰一人捉えてこなかった。 
どうして、アジアの女の子の心を写した映画はないんだろう? 
溺れるナイフは60万人を動員し、興収は7億円を突破した。
20代では日本人女性初だって。
でも、そんなの、なんにもなかったなあ。
殴られて、心を殺されて、どうしてあんなことしちゃったのかな。
映画をつくることが闘いでしかないのなら、
きっと女の子は映画をつくると死ぬ。
孤独は深まるばかりで、孤独の遣い道すらない。
女の子と映画は離ればなれになる運命なんだろう。
…さよなら 映画の神様…
もしも、人間の可能性として、
女の子として生まれて、
女の子のままで、映画を撮れないのかな。
この孤独に遣い道があったら良いのにな。
ああ、だれかのために映画を撮りたいな。
願わくば、同じ孤独を生きる、たったひとりの女の子のために。
きっと毎晩同じ夢を見ている、同じ涙を流している、
アジアの女の子のために、わたしは映画を撮りたいな。
そうじゃなかったら、たった今このわたしが、
こんなつまらない場所に生きるわたしが、
映画を撮る意味なんてないんじゃないのかな。
だれでも良いじゃんと思う。
でもね、アジアの女の子のために映画を撮るなら、
絶対にわたしだと思う。
この場所のつまらなさが、誰よりもよくわかります。
21世紀の東京に、わたしが居ます。
映画の神様、わたしを見つけてください。 
みんな面白いって言うんだよ、リアルな女の子の出て来ない映画。
こんなんじゃ、ぜんぜん満たされないの。
わたしがこの街を破壊するところを、カメラよ永遠におさめていてね。 
どうして、アジアの女の子の心を写した映画はないんだろう?
それは、今のわたしたちが作るため、
21世紀を生きるわたしたちが作るためではないのかな? 
映画の女の子
Girls of Cinema, Ū-ki Yamato

MY DOLL FILTER

ここで、少女がモノローグなどを言う40秒弱
ありきたりな情景に乗せる、ありきたりなノスタルジー
ダサい男、ダサくないふりをしている女
毎日会う他人と、会えない恋人と親
将来の不安、化粧直し、空、コンビニ、人間関係、靴底、9時、18時、23時
人混みに守られたエキストラ、都会の冬、わたし
自分を肯定できるほど生きてないし
強くも弱くもない
素直さすら嘲笑われて、恥をかくモラトリアムは君と同じ、テンプレート
素敵になってる愛すらも、未来を忘れるためのおままごと
圧倒的に足りない
許される、ある意味では正義
贅沢な孤独は付属品で美化されるルッキズム
アカウントは魔法
確認する顔
愛されるためにわたしは

無視される少女たちの履歴書
生きてるってことすらカルチャーの一部
カテゴライズされて、1人残らず消耗される
君が嫌いなものを好きなわたし
わたしが知らないものに熱狂する君
体の一部分の琴線をレイプされても、軽蔑には触れない
わたしたちの哲学なんて恋で変わるような薄っぺらいもの?
君の鈍感な幸せですら誰かの悪意で、わたしの欲望は強靭なお遊びなんだって
公共料金と住民税
奨学金を返済していくために自我なんていかに役に立たないかを思い知る
このままだとわたしたち、好きだったものも夢だった場所もつまらないしブスなわたしには似合わない
なんて思うようになる
夢は盲目で始まり、恥に終わる
漫画を読んでも小説を読んでも、これと同じ絶望は載っていなくて、気づいてしまったとき大きな何かを失う
なんてのは嫌だ

わたしたちは、まだ

わたしはまだ、自分を知らない


ただの日記

雪が降る夢を見た。
雪の粒はしっかりとしていて、わたしの住む街でもちゃんと積もりそうで、わたしは始終ひとりでウキウキしていた。この景色が恋文のかわりにならないかとスマホを向けた瞬間、夢から醒めた。

今日は給料をとりに職場へ向かったらタイミングが良く、わたしを含め4人で飲みに行くことになった。それぞれ色々なことを抱えていて、それぞれ大切にしているものが違って、それでも毎日生きてる。お酒を飲んでケラケラ笑って、こんなのがずっと続けばいいな、こんなのがずっと続けばいいのになと思った。

昨日の夜、急にテレビが壊れてしまい、一人暮らしの部屋にはもうわたしの声しかしなくなってしまった。テレビが直るまで一ヶ月以上かかるみたいで、もうずっと本を読むしかないなあ。友達とたくさん電話したいな、最近はほんとうに、人の声が聞きたい。

今年の冬も寒いのだろうけど、寒さをわたしはまだあまりよく把握出来ていない。寒いということが苦痛以外の何かに変化したからなのかも知れない。季節に置いていかれないように今夜からは毛布をひっぱりだして、湯たんぽを用意することにする。

毎日毎日、心の柔らかいところを撫でて、確かめて生きている。そうやって生きていないと、弱いわたしはすぐにあそこに戻ってしまうような気がするから。

一番消費されやすいところで消費されなかったらわたしの勝ちだ、わたしはそれを生きてみたい。来年から、一番消費されやすいところに飛び込んでいく。美しいものが見たくてわたしはずっと生きてきたよね。

雪が降ればいいと思う。
あの雪国のような雪が降ればいい。
雪がすべての音を吸収して、鳴るのはわたしの足音と風の音だけ。
その豊かさが、わたしは欲しい。

詠み人知らずの詩

きみはぼくのとなりでねむっている
しゃつがめくれておへそがみえている
ねむってるのではなくてしんでるのだったら
どんなにうれしいだろう
きみはもうじぶんのことしかかんがえないめで
じっとぼくをみつめることもないし
ぼくのきらいなあべといっしょに
かわへおよぎにいくこともないのだ
きみがそばにくるときみのにおいがして
ぼくはむねがどきどきしてくる
ゆうべゆめのなかでぼくときみは
ふたりっきりでせんそうにいった
おかあさんのこともおとうさんのこともがっこうのこともわすれていた
ふたりとももうしぬのだとおもった
しんだきみといつまでもいきようとおもった
きみとともだちになんかなりたくない
ぼくはただきみがすきなだけだ

OVER THE PARTY

一日太陽が沈むまでぼーっとしていた、気付いたら知らないひとにライターを貸した流れから一日遊ぶ流れになっていて、気付いたらこれじゃパーティで踊れないわってんでドレスをプレゼントされ、気付いたら彼と布団にくるまっており、気付いたらわたしはI can'tを繰り返していた、気付いたらわたしはひとり気付かれぬように泣いていた。わたしはやっぱり誰にも触られたくないみたいだった、何ひとつとして零れ落としたくないみたいだった。

自分に呆れる暇もないまま夜が来て、覚醒したらドレスに着替えてパーティが始まる。可愛い女のコふたり、可愛い男のコさんにん。女のコたちと踊り狂って、キスとハグの嵐を降らせ、張り付く男達の視線と手をケラケラ笑いながら振りほどき女のコたちだけで天を仰いで踊った、クラブではわたしの好きな音楽が何曲も流れて、まるでそこは見晴らしのいい地獄、天国とあまりにも似ているからわたしたちはどこに立っているのかまるで分からなくなってしまうね。
よく知らない相手からの好きがどうしても信じられなくて、彼からの試し行動に息も絶え絶えになっている彼女の発した「いいんですよ」は切実に胸に響く、その彼が朝のネオンを背後に光らせながら最後に告げた「オレ頑張るわ」はあまりにも残酷で美しかった。
こうして朝帰りの赤い電車の中、わたしの鼓膜に届く音楽もあのパーティで轟く音楽と同じようにわたしにやさしい。息をして、息をして、息をして、踊れ、あなたの踊り方で。   そう聴こえる。
 
この腕は誰、この唇は誰、ねえお願い助けて、わたしを掬い上げて、そんなときにその声をあげる相手をも、わたしは失ってしまった。
わたしのことはわたしが護るしかなくて、わたしが誰と寝ようとわたしの勝手で、それはあまりにも、あまりにも哀しい。

空っぽになればなるほど、美しい景色が増えていく。

この朝焼けの美しさを愚直に伝えることが出来たなら、どんなにしあわせなことだろう。

「欅って、書けない?」ってめちゃくちゃ可愛い

わたしはどうしたって闘ってしまうし、闘わないと死ぬし、死ななくてもすぐ死にてーとか言っちゃうし、どうせクズで、ていうかお前も大概クズだよ、でもクズだから闘うんでしょ向き合うんでしょ逃げんじゃねえよぶつかって来いよとかやっぱり∞思っちゃうんですよ。君の闘いかたを教えてとかね、思っちゃうんですよね。

あゝ、荒野』を観てめちゃくちゃに泣いた、美しいと思った、そこに映る汗は涙は吐瀉物は痛みと希望で歪む表情は叫びは美しいと思った美しいと思ってしまった、わたしこっちなんだな、毎日毎日ありふれた安らぎとトキメキを与える存在にわたしはなれないんだな、なれる訳ないよな、なれたら一緒に居てくれるらしいんだけどなれなかったな今までずっと。
幸せになりたいならお前で勝手に幸せになれよ。

君を守りたいみたいなことを言われて、何から?敵は何?あなたの必殺技は?みたいなこと思っちゃった。あなたよりわたしのほうが絶対に強いんだもん、なんてね。
誰もわたしに触るななんて、もう二度と思いたくなかったでしょ。

日曜日の深夜は欅坂の番組があって、わたしはその番組名が大好き、超可愛い。

可愛い大好きな女のコたちの叫ぶ本当が、これ以上踏み躙られませんように。これ以上、彼女たちが「全部意味なかった」なんて思いませんように。これ以上、渾身の力を込めて、暗闇に手を伸ばすように紡ぎだした言葉が、「重い」だなんて下劣な否定で一蹴されませんように。ずっとずっと欲しいのは、魂のぶつかり合いの果てに輝く光だけ、わたしたちは、ずっとそうやって生きてきたね。