生きてゆく

生きてるって超切なくて、全然おしゃれじゃなくて、ちゃんと痛かった

眼から下を隠せば裸で生きてるってことバレないから楽勝

きみがわたしの居ないところで酷いこと言ってたのちゃんと知ってるよ

わたしの特別は教えない、毎日毎日がギラギラして、瘴気立ち込める地獄のなかで立ち上がって生きてることの美しさをきっときみは知りたくもないのだろうから


本当はもっと綺麗で、愛してて、大好きなものがあったよ

わたしたちは、生きていて、ダンスフロアの光の真ん中に行けないような膝を抱えて暗闇のなかで夜な夜な泣いている

そんなわたしたちが、物にされて、簡単にされて、便利にされて、記号にされて、穴にされて、まわされる

経験あるから大したことないでしょうなんて言われちゃったね、体にいくら触れられても、毎回毎回死ぬ思いで愛するひとを抱いている切実な真実にはずっとずっと触れられない


わたしたちの傷は凶器と揶揄され、知らないひとの傷は守られる世界

ちゃんと生きてる、ちゃんと生きてきたから、痛くて痛くて、自分以外のすべてが愛おしくてたまらない

体の一部がもがれたような痛みを感じたのはわたしだけの子供、わたしはそれの母親

たくさんの痛みを宿し、あるかどうかもわからない光を産むためにまだ死なない

ざまあみろって言うまでまだ死ねない


女達は叫ぶ

わたしはわたしよ、心があるもの