MY DOLL FILTER

ここで、少女がモノローグなどを言う40秒弱
ありきたりな情景に乗せる、ありきたりなノスタルジー
ダサい男、ダサくないふりをしている女
毎日会う他人と、会えない恋人と親
将来の不安、化粧直し、空、コンビニ、人間関係、靴底、9時、18時、23時
人混みに守られたエキストラ、都会の冬、わたし
自分を肯定できるほど生きてないし
強くも弱くもない
素直さすら嘲笑われて、恥をかくモラトリアムは君と同じ、テンプレート
素敵になってる愛すらも、未来を忘れるためのおままごと
圧倒的に足りない
許される、ある意味では正義
贅沢な孤独は付属品で美化されるルッキズム
アカウントは魔法
確認する顔
愛されるためにわたしは

無視される少女たちの履歴書
生きてるってことすらカルチャーの一部
カテゴライズされて、1人残らず消耗される
君が嫌いなものを好きなわたし
わたしが知らないものに熱狂する君
体の一部分の琴線をレイプされても、軽蔑には触れない
わたしたちの哲学なんて恋で変わるような薄っぺらいもの?
君の鈍感な幸せですら誰かの悪意で、わたしの欲望は強靭なお遊びなんだって
公共料金と住民税
奨学金を返済していくために自我なんていかに役に立たないかを思い知る
このままだとわたしたち、好きだったものも夢だった場所もつまらないしブスなわたしには似合わない
なんて思うようになる
夢は盲目で始まり、恥に終わる
漫画を読んでも小説を読んでも、これと同じ絶望は載っていなくて、気づいてしまったとき大きな何かを失う
なんてのは嫌だ

わたしたちは、まだ

わたしはまだ、自分を知らない