全部大丈夫だよって嘘をつくから

こんなわたしが、わたし如きの人間が、生温い地獄の中でやっと見つけた気がした光に向かってドキドキしたり、脆い土地に不安になって落ち込んだり、それでも何でもないわたしの過去には決して触れない何でもないLINEに嬉しくなって貧乏なのに新しい服を買ったり肌が荒れて嫌になってすこしいい石鹸を買ったり、この日が来るから頑張るよ月がもうすくで真ん丸になるねなんて思っちゃったりして、生きて、毎日気を抜けば殺されて、それでも生きて、そういうの全部が突然潰される、そんなの抱えてたのお前だけだよって潰されることをあと何回繰り返せば愛してるの響きだけで強くなれますか。
わたしの過去にトラウマに地獄に生肉に、孤独で最強で圧倒的な光を放つ生肉に触る根性がないのならお願いだから最初から触らないで欲しい、誰もわたしに触るな。誰も、誰もわたしの心に触るな。その腕でその手でその指でその舌で触るのはわたしの肉体という容れ物だけにしておいてね、わたしって全然サバサバしてないし、余所見するきみを許せないし、嫌いな奴のネトスト超得意だし、AVに出てる女の子にも嫉妬しちゃうからね。
お前からしたら物語でもわたしからしたら現実なんだよ、わたしの絶叫に耳を開く気もないくせに光ってるだとか惹かれるだとかちゃんちゃらおかしいよ、アンダーグラウンドは東京にしか無いんだし、見晴らしのいい地獄のこと、サブカルにすらなれない音楽のこと、母親から殴られて吐瀉物を吐く食卓のこと、全部全部、どうせ分からないんだから分かったふりしたバカのツラ引っ提げて寄ってこないでね。
馴れ合う突き放す解き放つ、馴れ合う突き放す解き放つ、馴れ合う突き放す解き放つ、それを何度も何度も繰り返す。ずっと早く卒業したくて生きてきたの。
愛してるってゆってよね。