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友川カズキ

哭いてる空の下で言葉を呑み込んだ犬 果たせなかったすべての問いに頭をこすりつけて犬 暮れゆく秋の日にますますいい気になりやがって犬 苦渋のこと闇であること愛しいから笑っているのではない犬 軟弱なドラマの上に雪のように降り積もる犬 家族のことはどうしたんだ犬


絶望する犬は実は青空で 観念だけがまっくら闇に充ちている 守るだの攻めるだの手に乗せる夢すらなく 途中経過だけが力強く語られてゆく ポカリポカリ生まれた命だ カクンカクン息絶えた命だ 流れるなんて言わないで 何かやってみせてくれ 歯車みたいに擦り切れて 立っているだけじゃ能なしだ