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暗闇から手を伸ばせ

呆れるほどに自分にしか関心がなく、すべてのどうしては結局自分を問う為でしかないのか。
今では瘢痕となった傷痕が自分を罰してきたことの証なのだとしたら、わたしは未だにこの瘢痕の愛し方が分からない。
脚が地面から浮いていて、自分が何処に居るのかを見失った感覚は満たされていないという証左にはならない。自分の中に居る赤ん坊から逃げていたつもりもない。愛する人が居る。暗闇に潰されそうなときにその闇へ潜り込んでいくこともやめた。もがき苦しみながらも光を探している。もしかしたらわたしは、統合され始めているのかも知れない。わたしの中でただ泣く赤ん坊と、成長して大人になり、人への甘え方も狡猾さも知ってしまった大人のわたしが、現在生きているこのわたしが、統合され始めているのかも知れない。
本当に願っていることが見え始めたあの頃、わたしは完全に安穏と幸福だったか。否、苦しんだ筈だ。自分の中に沸き起こる変化と世界の移り変わりに戸惑い、柔らかくなったが故にある意味でひどく弱くなった筈だ。
どうして空っぽだと感じたのか、どうして自分の中の穴が巨大に広がったと感じたのか。今まで鳴き声の木霊していたところから、音が止んだからなのかも知れない。それは自分自身を失うことでもある。だからひどく脅えた。
わたしが抱えているこの感覚は、虚無ではないんじゃないか。

きっと赤ん坊は完全に消滅することはない。圧倒的な美しさを見たい。そうしたらわたしはきっと強くなれる。