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ベタは死んだ

志人ニルヴァーナと禁断の惑星ばかり最近は聴いています。あとツェッペリンの4番。みんなは天国への階段だと口揃えて言うけれどわたしはブラック・ドッグがサイコーだと思う。

わたしが初めて性いうものに触れたのは3歳だとか4歳だとかの頃。精液どころかおりものすら生成されていないであろう膣にはペニスでも指でもなくドライバーが入ってきました。無知と好奇心いう名の下に行われたおぞましい行為が見付かったとき、母親は穢らわしい獣でも見るような目でわたしを見て罵った。自分でもいつだったかその境目が分からないうちに、わたしは「きもちいい」という事を知った。セックスの時はただただその瞬間の快楽に身を沈めて漂い、自分のことだけを感じて泳げば毎回毎回そのあと律儀に訪れていた憂鬱に潰されにくいということを最近学んだ。
わたしの持つ、性への嫌悪や憎しみは、きっと一番最初の相手であるドライバーの記憶からではない。それは憎しみを産んだ卵でしかない。腹立たしいのは、その卵だらけで、卵卵卵卵卵もう卵しかいないのだということ。わたしの膣はクリトリスは子宮はまるまるその卵を存在させているということ。

あの家にいたベタがこの間いなくなっていた。死んだのと訊いたらうんと答えられ、悲しかったかと訊いたらうんと答えられた。あんなにもあんなにも、死んじゃうからちゃんと餌をあげてねと言っていたのにあいつはまんまと殺した。
釣った魚に餌をやらなすぎだよ。どんなに強い魚でも、餌が無ければ餓死に至る。

膣の記憶に浸るな。暴力の恐れに籠るな。憎む事で己を護るな。考え続ける事を諦めるな。考え続けろ、考え続けろ、思考停止する事で「見ているつもり」の盲目を纏わない為に。停止させない思考を携え、窓の外へ出ろ。街へ出ろ。雑踏の声を聞け、叫び声を頭ではなく肌で感じろ。お前のその小さな四角い安全なお部屋は、卑屈になり恐怖に震えるお前に「無感の安全」という名の弱さを与える。向う側を見たいならば、恐怖すら抱き締め、その目を渾身の力を込めて開け。