わからないなら死ねばいい、私はまだ歩ける

映画を観た。
セックスして踏み躙られることに嫌気が差してあんなにもキスを拒んだ彼女はキスをして、そのままお決まりのようにセックスをした。
どうして皆キスをしたらセックスするんだろう。わたしの知らないところでマニュアルみたいなの皆読んでんのかな。

セックスをした後に彼が言った実はオレ彼女居るんだ。今まで見てきた中で一番綺麗な身体だとか1、2を争うくらいフェラチオが巧いとか何だとか本当クソ程どうだっていい。
今まで何人とセックスしたかと訊かれ適当な数字を言った。
何がアフターケアだお前のアフターケアなんか生ぬる過ぎてこちとら全然満たされねえんだよ修行しろ修行。山に篭れ。

セックスの最中にオヤジが放った「俺の奥さん」という言葉。絶対一生忘れない。

だいすきだったあのひとはわたしがセックスと妊娠に対する恐怖と怒りを話したあとにコンドームをつけずにわたしのなかに入ってきた。それからわたしはコンドームをつけることを拒み始めた。

すきだよよりも手を繋ぐことよりもずっとずっと先にセックスが来る。セックスの後の愛してるなんて嘘っぱちだ。セックスの後のキスなんて性欲のお知らせだ。セックスのあとに手を繋いだら泣き出したくなるだけなんだ。そんなことないなんて言う笑い出してしまうような事わたしは信じられないよ馬鹿。お願いだから、わたしにあなたが言うそれを、セックスの素晴らしさを崇高さを信じさせてよ。全っ然分かんねえんだよ。

喘ぎ声は知ってても、きみのトラウマは知りません。
どこをどうするか分かってても、きみの好きな音楽すら分かりません。
こんなこと何度繰り返す。こんなことずっと続くはずないよ。続けられるはずがないよ。わたしはオバサンになるし、オバサンになる前にどっかがぷっつり切れるだろう。

「簡単なことだよ、目の前に旨そうな肉があったら喰う」。
わたしはどうやら、肉なのらしい。

本当に愛してるひとと、セックスしたくない。分からないでしょうね。分からなくていいんです。わたしにだって分かんないんだから。