右肩から左のほうへ

夢を見た。
わたしたちはやっぱり海に居て、あなたはわたしとこれからも生でしたいんだと、嬉しそうに言っていた。
わたしは泣きながらキレて、37年も何して生きてきたんだよと叫んだ。
海だった。
太陽が白い光を浜にそそいでいた。
朝起きると、あのひとから返信が来ていて、考えても分からないことは分からないとそこにはあった。
わたしは信じられないくらい落ちていて、一昨日くらいから戻った食欲も元気もどこかへ消えていた。
母親が、ゴーヤとか食べないでしょうとわたしに訊いて、どうしてかは分からないけれど、泣きたくなった。
部屋に戻って煙草に火をつけたら涙が止まらなくなって、わたしは枕元に置いたままの、あの、あの蛍光緑のタオルを握って、泣いて泣いて泣いて泣いた。

きみが分からないとあのひとは言う。
わたしだって、わたしが分からない。
あのひとを乗り越えようとして、何とか息をしようとしていた。
きみが分からないと告げられ、ふとわたしを振り返って捜してみても、わたしが見えなかった。
苦しみから苦しみ以外を生もうと必死に喘ぎながら繰り出しているなかで、わたしはわたしを見失ったみたいだ。