グランジシスター

すきなひとが最初に舐めたところ、左の腰骨あたりを切ろうと思った。
切ることは己に罰を与えることだと思い出した。
罰なんかじゃない。
あなたはわたしが20年間の中で本当に愛した三人目です。
ひたすらだったわたしを、わたしは認めよう。
ひたすら故に汚いこともして、大切な人を傷付けた。それすらも抱きしめよう。

スパルタローカルズのGRUNGY SISTERを聴いた。
最初に聴いた夜を思い出した。
井の頭公園、この世で一番やさしくて、大きい掌を持つひとが流した歌だった。あの掌は、どんなときでもわたしの掌を愛おしそうに握ってくれた。こんなわたしではあなたと手を繋げないと怯えていたわたしの手を、いとも容易く繋いでくれた手だった。

死んでしまいたくなるけれど、限りなく優しい歌だった。