東京ガガガ

一日がつるつるしてしょうがない
町のどこかが
とがってさえいりゃあ
そこに服の裾でもひっかけてもがきてえ
すべるだけの日曜日
どこへ行こうか

君の町に行きたくないよ
子供の唇の切れている 君の町では
屋根は平たく乾き 青空は薄すぎて
夜が透けて見えてしまうから
すべるだけの日曜日
どこへ行こうか

そして肉屋にはいつも肉が垂れ下がっている
昼食には縮んだレストラン
瀬戸物の公演 壊れかけた海
煙突は恐ろしい
すべるだけの日曜日
どこへ行こうか

倒れている 自転車に聞いたらどうだ
転がっている 裸電球に聞いたらどうだ
ガソリンスタンドには星が吊るされている
時間の中の美しい秒針 あれは止まっている
すべるだけの日曜日
どこへ行こうか