2014.06

 

「相手に対して素直で在ること、言えないこと言わないことが増えていくと逃げやすくもなる」

言わないことを作って自分の中で区切りを付けること。その要因であったりそれの結果であったりする欠けを満たそうと他所を見つけて走ること。諦めてしまうと何かがそこで死ぬ。

2014/06/01 (Sun) 2:12

 

 

 

 

 

 

 

「それで、本を読むときにですね」

「はい」

「夜ですから、電気をつけるんですけれど、そしたら、明るくて」

「はい」

「そのおかげで、本とか文字が読めて」

「はい」

「でね、電気を消すと、暗くなるんです」

「はい」

「すぐに」

「はい」

「そしたらね、電気がついてたときにあった光って、どこにいってしまうんですか」とわたしはきいた。「光はいったい、どこに行ってしまうんです」

「吸収されてしまうんです」と三束さんは言った。

「ほとんどの光は物に吸収されて、消えてしまいます」

わたしは三束さんをみた。

「ただ消えるんですか」

「吸収されないで――たとえば反射したり、すり抜けたりする光もあることはあるんですけど、けれどもいつかはなんらかの物にあたるでしょうから、そこで吸収されてしまって、最後にはやっぱり消えてしまいますね」

「そうなんですか」

「そうですね。でも吸収されなかった光の一部分は、たとえば窓から外に飛びだすってことも考えられますね」

「あいてる窓から?」

「いえ」と三束さんは肩をゆらして笑った。「すみません、その、でかけるような感じじゃなくて、すり抜けるんです」

「すり抜ける」

「はい。さらにその一部は、宇宙空間に逃げていくことになると思います」

「宇宙に」わたしは自分の言葉をたしかめるようにゆっくりと声をだした。

「そんな、遠くに?」

「そうですね」

「枕もとの光が、宇宙に」

「はい」

「……じゃあ、わたしの部屋にあった光は、その宇宙のどこかに、いまも残っているんですか」

「それは、どうでしょうね」と三束さんは言った。「ご存じのとおり、光はものすごく――、一秒間に地球を七周半するくらいには速いので、反射とか透過をくりかえして仮に生き残りをつづけたとしても、それはわれわれの目にはとまらないですね。それに」

「はい」

「やっぱり最後は、吸収されてしまいますからね」

「最後まで、残る光はないんですか」

「そうですね」

「ぜんぶ、消えるんですか」”

川上未映子 / すべて真夜中の恋人たち

 

2014/06/02 (Mon) 14:15

 

 

 

 

そこにいる人と自分との間に違いがあるのがもう辛くて辛くてしょうがないというような気持ちですね。画一化された社会などダメな社会だというのは言うまでもないし、差別論などでいわれる、差異を認めよう、差異を楽しむべき、ということなら、わかりすぎるぐらいわかっているんですよ。そういう次元の話とは全く別に、根本的に個体と個体との間に隔たりがあるのが寂しくてたまらないんですね、私は。

 

 

六つの星星 川上未映子×松浦理英子

2014/06/02 (Mon) 14:18

 

 

 

悲しみが砕け散り、大祝福にぶちあたる。

あなたのその手は美しい。

 

 

純粋悲性批判/川上未映子

2014/06/02 (Mon) 14:20

 

 

 やまだないと

 

女の子たちは、1本のペニスを信じて100本のペニスを咥え、

僕たちは、1つのあそこを信じて100のあそこに突っ込む

2014/06/03 (Tue) 15:17

 

 

 

『僕はママが大嫌い。僕はパパが大嫌い。パパはママが大嫌い。ママはパパが大嫌い。だから死にたい』

 

カート

2014/06/03 (Tue) 21:00

 

 

 

恋愛とは相手のなかに潜りこもうとすることであり、芸術とは自分のなかに潜りこもうとすることである。

 

ボードレール

 

2014/06/04 (Wed) 8:47

 

 

 

「六百万人が目の前でガス室に送られる時、僕は躊躇なくヒトラーを刺す」 (野村秋介

2014/06/05 (Thu) 15:08

 

 

 

本物の前で言葉は負けるのならば、わたしたちは最初から言葉なんて必要としていなかった。言葉の出ないことを歓びに感じていた。

いつからだろう、わたしが言葉を求め始めたのは。わたしは求め過ぎてしまった。

2014/06/05 (Thu) 17:44

 

 

 

新幹線に乗って

速すぎると、すれ違う窓の向うの人の顔が見えない。

ガラス窓に映るわたしのことなら見える。

相手を見ているようでわたしを見ている。相手のほんとうの現在を見ようとしているか。

2014/06/06 (Fri) 13:36

 

 

 

寂しさというものが最近薄まってきているこれはどうしてかまた溜まっているだけなのかいつものようにいつか爆発するのかそれとも空洞を受け入れられてるのか、なーむー

2014/06/07 (Sat) 2:42

 

 

  えりちゃん

落ちてるものを口に含もうか相談するほどなのにあたしには何の音も無しに消えちゃってよ、昨日から始まったらしい梅雨だって何の音も無しにやってきやがった。

外が見える(だいすきなだいすきな)ヴェローチェでコーヒー飲んで煙草を吸って外をせかせかせかせか行き交う人たちを見ているとみんなみんながそれぞれの傘をさしていて、雨が終われば電車のなかに捨てちゃうくせに要り用のときだけ大事そうに握ってて先端に先端が当たれば眉を顰めるしあたしは訳が分からなくなってしまう。

彼女かーと口に出してみれば言葉がコエカタマリンになってあたしにぶつかって返ってくるから何度も何度も言ってみる。彼女かー彼女かー彼女かー彼女かー負ける気しかしねえぜ。

言っとくけどな、おまえが彼女に言う何百回の愛してるよりあたしがあたしのノートに一回だけ書いたおまえの名前のほうが価値があるぜってそうだよなあ峯田って。

もう好きじゃなくなったのかなを何度繰り返せば気が済むのだろう。

分からないから悔しいから、あたしも道端に落ちてるものを食べるとき、あのこに相談しよう。

2014/06/07 (Sat) 10:19

 

 

 

くるしくなってくるしくなってきて、最近余裕綽々だったのにくるしくなってしまって、思わず月の満ち欠けが分かるアプリを入れる。あと一週間で満月で、なるほどねなんて思うけれどそんなんに毎月毎月振り回されてるのなんて嘘みたいだし嘘なんじゃないかなバカみたいだよ。

恋人って何だ。どうしてみんな恋人という繋がりを作るんだ。恋人という関係になることに対しての多幸感、それは痛いくらいに知っている。くるしい。

近くなるということは傷付け傷付きやすくなるということ、得ると同時に失くす可能性を常に孕むということ。強くなる為には選択をしなければいけない、何かを選ぶと何かを捨てなければいけない、それなのにどうして恋人になるの。

泣きたくなって顔を歪めても眼から液体は出なかった。あまえてる。わたしは考えなければいけない。

これはわたしだけの文章だ。

2014/06/08 (Sun) 22:20

 

 

 木下理樹

愛する人と旅に出て、猫連れて、海の近くで死んだ様に暮らしたい。廃墟のホテルもいいな。病気のイルカを助ける職業について、もらったお金は全部酒と花束につぎこんで。部屋を花束いっぱいにしたい。花の香りにうもれながら毎日酔っぱらって、飽きたら二人でSEXをして、また酔っぱらって 

 

2014/06/11 (Wed) 19:22

 

 

 

@Toshihiro_Egawa: プロを目指してて「仕事が忙しくて絵が描けないんです、帰って疲れてヘトヘトで」って言う人がいるんだけどね、多分もう描くことの理由が変わっているんじゃないかな。実は好きじゃないんだよ描くことが。絵より大事なものがあるんだよ。ヘトヘトとか笑わせるよ、なにまともに生きようとしてるんだ。絵描きなんて目指してる時点である意味社会不適合者の仲間入りなんだから、何が会社だと思うよ。やめちまえよそんなもの。って言っても、「いえ…そこでまだやりたい事が」とか「ぬけられない」って大体の返事が返ってくる。不満漏らすくらいならペンを持ったまま病院に運ばれるか死ぬべきなんだよね。

2014/06/11 (Wed) 21:39

 

 

 

うんとそうだねしか返せないこれじゃちょっとな、と思って労いの言葉をかけてみた途端白々しくて言葉をかけた数秒前のわたしが浮遊しているのを感じる。わたし、ほんまはこんなこと言いたくないんだなって気付いてしまう。というか人と話したくないんだな。ほんまに言いたいことだけ言っていたいんだなって。わたし、誰のことも好きじゃないんじゃないかな。わたし、永遠にひとりを愛し抜くなんて無理なんじゃないかな。いま遠い国に誰かと逃げたとしても、その人との生活を愛おしんで尊ぶことなんて、いつか終わってしまうんじゃないかな。人と話さないで、人と触れ合わないで、発語しない植物のまんなかでただひとり黙して坐っていたい。

2014/06/12 (Thu) 8:40

 

 

 

家から最寄りの駅のホームに座って電車を待っていると、自衛隊の人たちがずらっと列をなして道を歩いていた。ホームに居た小学生たちは興奮気味にこんにちはと言っていて自衛隊の人たちもこんにちはと返す。

昨日までの雨が嘘みたいに晴れて、暑い。周りは桑の木がたくさん生えていて緑緑している。空はバカみたいに青くて夏だ。

自衛隊の居ることなんてここでは珍しいというかほぼ無い。それなのにわたしは、おぉ自衛隊だ、しおん思い出すな。なんて思ってその異色な光景をすんなり受け入れスマートフォンの画面を触る。何秒かして、自分がその景色を受け入れたということにはっと気付きぞっとしてまた自衛隊の行進を見る。こういうことなんだ。戦争になっていくのも、大震災のとき韓国や中国の人達が井戸に毒を入れたというデマカセを何人もが信じたことも、何百何千何万の人々がガス室に送られる中ヒットラーを刺す人が誰ひとり居なかったのも、こういうことなんじゃないか。

茶色い。茶色い朝だ。

2014/06/13 (Fri) 11:02

 

 

 

金曜日と月曜日をうっちゃって、もう逃げられんなさすがに。と思い逃げ終わりを自らに告げていま、駅のミスタードーナツにこうして座っているのだけれども、わたしはもう再び金曜日、いや金曜日なんて言わなくてよろしい、もう木曜日である明日からまた責務をうっちゃりたい。

放浪癖とまでは言わずとも、わたしはこの20年間の7割方は逃げたい欲と闘って(たまに負けて)きたのだよな。

ミスタードーナツの喫煙席の目の前では歳を重ねた男女たちの会合が繰り広げられておりわたしは全くそこに混ざりたくないな。

明日学校へ登校したら面倒なことが盛りだくさんなのは知りすぎている訳であって、あかんなあ。

逃げたい欲はわんさかで頭の中でせめぎ合い合唱し合い弱いわたしを素敵に誘惑するのだけれども、この責務の日々をなんなんと果たしてゆけばそれになんとなく慣れていけることも知っている。

2014/06/18 (Wed) 9:08

 

 

 

 

 

特別をいくつか持つということは、出来るのかなー。

例えば犬を2匹飼ったら多分どっちかの方がどっちかより可愛くなってしまうし、お母さんはわたしより弟がかわいいし、そして多分血の通ってない兄よりはわたしのがかわいいしなあ。

西荻夫婦を読んで、よかった私達はまだ他人だというところを読んで、なんか分かるなあと思う。

こういうことはノートに書くべきなんだけど椅子から腰を上げてノート取るの面倒だからこれは独り言ち。

コーヒーまだかな。頼んだけど来ないな。あと15分とかで出なくちゃなのにな。

わたしは特別に好きなもの、何個もあるけどそれらは物質なんだよな。でも生き物も物質なんだよな。

何で好きなもの、たくさんあっちゃダメなんかな。何で好きなものたくさんあっちゃ嫌なんだろうな。愛情が少なくなる気がするんかな。あ、コーヒー来た。やった。元を取るぞ。

・・・・・・・。

始まる前から終わってた、終わりの前から始まってた、終わる前から終わってた、だから終わりの始まりにはいつも始まりの終わりにはいつも、あなたの声を聞かせてあなたの声で知らせて。

声ってのはずるいもんで、わたしをあまく引き摺るとらえて包む。その声すら思い出せないそんな音が一体今までいくつあっただろう。あの人の声もあの娘の声も今ではもう思い出せないや。

特別~特別~。

すきよすきやよすきよすきやよ、かー。なんまんだぶ。

2014/06/20 (Fri) 9:06

 

 

 

これから海行こうまた夜全裸で飛び込もうかというときにトイレ入ってパンツ降ろしたら生理になってた。なってたな。そっかー。そっかそっか。流れてるな。流れたか。そっかそっか。かみさま、そっか。

2014/06/21 (Sat) 10:37

 

 

 Yの思い出(やまだないと)

 

 

 

昨日もパパに叩かれた

朝早くママが出ていった

午後には海辺で波に濡れてる

ひとりで首まで汐に漬かって

これが いつか

思い出なんかにならないで

思い出なんかに

思い出なんかにならないで

今夜はパパに愛されて

朝6時にドアを閉めていった

明日には下水に足を感じて

ひとりで死ぬ程走り回って

思い出なんかにならないで

思い出なんかに

思い出なんかにならないで

 

2014/06/22 (Sun) 22:04

 

 

 CANON(やまだないと)

 

ぬけ出せない

出口はどこだ

教えてほしいのは出口

なんだ このくりかえし

押し寄せる たたみかける

誰だオレに問いかける

誰だ

出口みつけたヤツ

出口出たヤツ

オレに教えろ

オレを哀れむなら

オレを虫のように見つめるなら

オレの唯一

武器はオレの命

オレはオレを人質にとった

おまえらはきっとオレを見殺す

おまえらは人殺し

そうだ オレは死んで

おまえらを人殺しと呼んであげよう

ハエが飛ぶだろう?

オレ それを

まよわずつぶすだろう?

オレがわめくだろう?

なのになぜ殺さない?

なぜオレは殺さない?

オレは何が怖いんだ?

出口だ

きっとその先は出口だ

兄キも死んだ

おばあちゃんも死んだ

みんな行く

だけど誰も教えてくれない

そこが本当に出口だったのか

どうだったのか

誰も教えてくれない

つづくのか?

その先もつづくのか?

オレがかろうじて

この世にぶらさがっているとしたら

この臆病さと欲深さのせい

神様はそれに名前をつけた

愛だ

愛というんだ

2014/06/23 (Mon) 9:04